(提供:日刊不動産経済通信)大和ライフネクストは、マンションの管理員が「孤立死」の第一発見者になる事例が多いことから、「孤立死対応マニュアル マンション管理会社版」を作成し、ホームページで公開した。孤立死に至る前と発生時の管理員の気づきのポイントから、管理会社の支店での対応などをまとめた。マニュアルは同社従業員を対象に作ったが、「孤立死」問題が社会で深刻化する現状を受け、参考にしてもらえるよう一般公開した。
孤立死に至る前段階では身体疾患や認知症を含む精神疾患などを発症しているケースもあり、服装や行動、健康状態、発言などでそれぞれ気づきのポイントを挙げる。該当する場合には親族や地域包括支援センターにつなぐことを推奨する。孤立死の発生が疑われる場合は、管理員業務としてできる範囲で異変の有無を確認。郵便受けに新聞や郵便物があふれていないか、外出やゴミ出しで姿を見かけるか、洗濯物が長期間干したままになっていないか、玄関ドアや通気口で異臭の発生がないかなどを挙げ、異変があれば支店の担当者への連絡が必要とする。
支店側は、孤立死の疑いの連絡を管理員から受けたら関係者への連絡を行う。まずは緊急連絡先に連絡し、対応が難しい場合は管理組合の理事長から警察に連絡をしてもらう。孤立死の発生時は、相続人を確認し、専有部分の清掃や住戸の売却、相続手続きなどを確認。相続手続きをしないと管理費や積立金の滞納につながる可能性があるため、相続人が見つからない場合は、管理組合が「相続人調査」を弁護士に依頼すべきと指摘する。マニュアルではそのほか、管理員の経験談などを紹介している。