不動産経済研究所は11月27日、「激動の日本経済&不動産2021、どうなるのか」と題したセミナーを開いた。著名エコノミスト3氏が登壇し、新型コロナの影響や日本経済、不動産価格などの展望を語った。
双日総合研究所の吉崎達彦チーフエコノミストは「米国政治・経済2021の行方」をテーマに講演。米大統領選の分析と、バイデン政権の閣僚人事、議会運営、コロナ対策、各種政策に関する見通しを話したほか、質疑応答では米中摩擦の日本への中長期的な影響、高騰する米国の株式市場が日本の株式市場に与える影響などにも言及した。
第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは「日本経済2021&スガノミクス点検」の主題で登壇。スガノミクスを「アベノミクス+小泉構造改革」とし、コロナ禍は「金融危機ではなく、ウイルスへの恐怖心がもたらす問題」とみて五輪や政治経済の行方を話した。五輪では、すでに創出された経済効果の金額と、開催しないと発揮されない金額を分け、中止になった場合も含め考えられる可能性を示した。
岡三証券の高田創エクゼクティブエコノミストは「日本経済2021&金融・不動産・観光の動向・展望と注目すべきポイント」のテーマで講演し、コロナ禍を「資本の問題」と分析した。「株価、不動産価格は落ちず大企業は一部を除いてほぼ無傷だが、コロナ7業種のように企業と就労者が経済弱者にならざるを得ない分野もある。二極化・格差拡大の問題だ」として、見通しを述べた。
オンラインセミナーの視聴期間は12月3日から23日まで、申し込みの締め切りは22日。一般受講費は消費税別で3万円。
2020/12/01 日刊不動産経済通信