(提供 日刊不動産経済通信)オフィスビル総合研究所(今関豊和代表)は東京や大阪など主要都市の今後3年間のオフィス需給予測(8月31日時点)を公表した。東京都心5区では23、25の両年に20万坪超の大量供給があり需給は緩む傾向だが、空室率は23年第2四半期(2Q、4~6月)に5・1%で頭打ちになると予想。その後は多くの床が出回ることでテナント需要が喚起され、24年2Qに3・9%、25年2Qに3・2%まで下がると読む。募集賃料は3年で5・2%上がると展望している。
1フロア50坪以上のオフィスビルを対象に空室率や賃料などの動きを予測した。東京都心ではコロナ禍が引き金となり企業らが拠点の配置を見直す動きが活発で、22年3Qの空室率も2Qから0・2㌽上がり5・0%になると予想。その後は横ばいが3期続いた後、空室率は23年2Qの5・1%をピークとして段階的に下がると展望する。弱い需要と強まる先行き不透明感に大量供給が加わり、借り手優位の情勢が続くなか、賃料は22年2Qから25年2Qにかけて1100円程度上がると推測している。
一方、大阪と名古屋、仙台など地方の需給カーブには東京ほどの大きな変化はなく、空室率は大阪が4%前後、仙台は4~5%台が続くと予想。名古屋の需給は緩和が続き、22年3Qに5・2%、23年3Qに5・7%などと上昇を見込んでいる。福岡では大型再開発に伴い、向こう3年は毎年2万坪前後の大量供給が予定される。このため空室率は25年1Qに4・8%(22年2Q実績3・6%)まで上がると予想する。多くの新規供給によりオフィスの需要が拡大し、賃料は3年で5・5%上がると展望している。