野村不動産が参画する東京・杉並区のマンション建て替え事業が本格化してきた。単棟型(非団地型)の「ガーデン堀ノ内住宅」(238戸)を369戸の建物に建て替える。マンション建て替え円滑化法による事業化は同区では初めてで、単棟型の事業として東京都内で最大規模になるという。
同マンションは1968年に竣工した。東京都住宅供給公社が分譲した地上11階建ての建物だが、竣工から半世紀が経過し、耐震強度の不足に加え、コンクリート破片の落下など老朽化が課題となっていた。管理組合では09年から建て替えの検討を開始。野村不動産は17年3月から事業協力者として参画していた。コンサルタントは都市設計連合、設計はIAO竹田設計が担当している。
単棟型マンションの建て替えは一般的に、団地型と比べて余剰容積が少なく保留床が多く設けられず、事業の採算面でネックになりやすい。実際、今年3月時点で組合設立認可まで至った都内の単棟型事業は、従前の建物が100戸以上に絞ると3件にとどまるという。今回のケースでも、建築上の制約がある中で一定の保留床を確保し、事業として成り立たせることができた。
建て替え後の規模はRC造地上14階建て。専有面積は約53~108㎡(従前は約65~66㎡)。容積率は従前の約167%から約202%になる。区の認可を受け8月にマンション建て替え組合を設立済みで、21年4月に解体工事に着手する予定。24年秋の竣工を目指す。場所は東京メトロ丸ノ内線・方南町駅から徒歩6分。
2020/11/04 日刊不動産経済通信
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