不動産透明度番付、英国が5回連続首位―JLL、日本は12位に浮上し初の「高」
六本木一丁目

(提供:日刊不動産経済通信)ジョーンズラングラサール(JLL)が2年に1度公表している不動産透明度番付の最新版で、英国が評点1・25を取り5回続けて首位になった。2位も前回と同じ米国(評点1・34)。日本(1・88)は12位と前回の16位から浮上し、アジア圏ではシンガポールや香港などを抜いてトップになった。3位から5位まではフランス(1・34)、オーストラリア(1・38)、カナダ(1・44)と近年の常連国が並んだ。

 JLLが8月31日に日本版を公表した「グローバル不動産透明度指標インデックス」では、世界94カ国の156都市を対象に254項目を6段階(1・00が最高点)で評価した。評価項目は「企業統治」や「規制と法制度」「持続可能性」など6つ。日本は脱炭素化に向けた建物基準の厳格化や企業の情報開示が進んだことなどが評価され、上位12カ国に初めて入選し、6段階で最上位の「高」のグループに入った。

 JLLの赤城威志リサーチ事業部長は「売買価格が示されるJリート市場の存在が日本の透明度向上に大きく寄与した」と分析。不動産市場全体の売買データを活用できれば取引がさらに活気付くと強調した。一方、内訳が不透明な建物共益費や普通借家契約など独特の商習慣が日本の評価を下げる要因になっていると指摘した。日本は前回の調査でも管理費や不動産取引価格などの非開示性が指摘されていたが、赤城氏は「そこを一朝一夕に変えるのは難しい」とみている。

 今回の調査結果では世界全体の透明度スコアの平均改善率が2・0㌽と調査開始以来、最も小さかった。6位以下にはオランダ(6位)、アイルランド(7位)、スウェーデン(8位)、ドイツ(9位)、ベルギー(11位)など欧州の国々が名を連ねた。

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