(提供 日刊不動産経済通信)政府は「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を6月初旬に閣議決定する方針。官民が連携することで課題解決と経済成長の二兎を実現することを標榜する岸田文雄政権の新しい資本主義。「人への投資と分配」を筆頭とする重点施策を通じて、成長の果実が適切に分配されない目詰まりの解消を目指す。
新しい資本主義の実現に向け重点投資する分野として掲げる「人への投資と分配」のなかに、「子育て世代の住居費の支援」が入った。子育て世代の住居費負担軽減のため、UR賃貸住宅、セーフティネット住宅を活用する。省エネ性能の高い住宅の取得・改修も進める。若い世代の結婚による新生活立ち上げの際の引っ越し費用や、家賃等の負担軽減も盛り込んだ。
重点投資分野には「GX(グリーン・トランスフォーメーション)及びDX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資」もある。このなかで推進する政策に「建築・都市のDX」がある。建築物の形状、材質、施工方法に関する3次元データ(BIM)、都市空間における建築物や道路の配置に関する3次元モデル(国土交通省プラトー)、土地や建物に関する固有の識別番号(同・不動産ID)の活用促進が明記された。
実行計画は重点投資分野のほか、「個別分野の取組」も取り上げる。そのなかに「国際金融センターの実現とアセットマネージャーの育成」を入れた。アセットマネージャーを含む高度な金融人材の育成・拡大を進めることや、新たに資産運用業を行う事業者の資金繰り支援のため、信用保証制度の対象に資産運用業者を追加する。