国土交通省は24年度の稼働を視野に、「宅地建物取引業等電子申請システム」の構築を進める。免許関連以外の申請・届出も対象とする方針。実現すれば、年間30万件にも上る宅建業者の各種申請・届出が、全てオンラインで完結することになる。
国交省では電子申請システムに必要な機能の洗い出しが始まっている。受付機能、必要事項の入力漏れチェック機能、申請状況の確認機能などが挙がっている。21年度に宅建業者や都道府県など、関係主体にアンケートを実施して、必要な機能を更に詰める。免許申請には、代表者の住民票(個人の場合)や履歴事項全部証明書(法人の場合)など、他省庁発行の添付書類が必要。そのため、他省庁のシステムとの連携は必須となる。宅建業者・宅地建物取引士の登録情報など既存システムとの連携も必要だ。課題は多いが国交省は24年度中にも稼働させたい考え。
免許の新規申請や更新以外も電子申請システムで対応できるようにする。宅建業者に求められる申請・届出は、役員や専任の宅建士を変更した場合の届出のほか、モデルルームの設置申請など多種多様。21年度はこれらのあり方の検討も重点的に行う。同時に、オンライン化に伴う虚偽申請の対策も徹底する。
宅建業の免許申請などは、対面・書面で実施されている。例えば新規開業の場合、通常は都道府県の窓口に行き、申請書類に不備がないかチェックを受ける。電子申請システムは、こうした確認が自動で行われるほか、申請者と行政側で重複していた入力作業も軽減する。審査期間(新規申請・都道府県免許の場合概ね1カ月)の短縮も期待される。
2020/11/16 日刊不動産経済通信