(提供=日刊不動産経済通信)三鬼商事が10日に公表した1月末時点のオフィスビル需給動向によると、東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均空室率は前月比0・07㌽減の6・26%と3カ月連続で低下した。昨年6月から8カ月連続で6%台前半が続くが、既存ビルの大区画などにテナントが付いた。坪当たり平均賃料は88円減の2万508円と18カ月連続で下がった。一方、大阪市中心部の空室率は0・22㌽増の4・75%と6カ月連続で上昇、需給の緩和基調が続いている。
昨年12月末以降の1カ月で、東京都心5区全体では約5000坪分の空室が減ったのに対し、大阪市中心部では同面積の空室が増えた。東京都心では1月に6棟が竣工し、一部のビルは満室になったが、多くのビルに空きが残ったという。
東京都心の新旧別の空室率は昨年12月末時点で新築ビルが13・09%、既存ビルが6・25%だったが、1月は新築15・39%、既存6・15%と両者の差は9・24㌽に拡大した。区ごとの空室率は港が0・1㌽減の8・46%と突出して高い。次点以降は中央が0・19㌽減の5・75%、新宿が0・3㌽減の5・74%、渋谷が0・17㌽減の5・34%、千代田が0・16㌽増の4・74%。千代田区の空室率は5区で唯一、上昇した。
大阪では新大阪駅周辺の空室率が1・82㌽増の7・7%と特に上昇した。東京・大阪以外の都市の空室率は、札幌は0・24㌽減の2・37%、仙台は0・5㌽減の6・09%、名古屋は0・04㌽減の5・6%、福岡は0・08㌽減の4・45%といずれも低下した。横浜は企業の移転・集約に伴う解約が多く0・09㌽増の4・86%と微増だった。