令和3年度12月宅建試験、合格点は34点 問44は2つの肢を正解に 過去問対策・法改正対策が大事に

 

 不動産適正取引推進機構は、21年12月19日に実施した令和3年度宅地建物取引士資格試験(12 月実施分)について合格者を発表した。合格判定基準は50問中34問以上の正解で合格。問44については設問文の誤植を理由に2つの肢を正解とした。12月試験の合格率は15.6%。10月試験との合算で合格率は17.7%、うち登録講習修了者は21.3%だった。

 問44については、設問分のアの記述中に誤植(誤;水防法施行規則第11条第1項 正;水防法施行規則第11条第1号)があった。このため、設問分アの正誤は問わないものとして取り扱い、選択肢2(正しいものが2つ)と選択肢3(正しいものが3つ)のいずれも正解とした。

誤植の問題

問44 宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明についての次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。

ア 賃貸借契約において、取引対象となる宅地又は建物が、水防法施行規則第11条第1項の規定により市町村(特別区を含む。)の長が提供する図面に当該宅地又は建物の位置が表示されている場合には、当該図面における当該宅地又は建物の所在地を説明しなければならない。
イ 賃貸借契約において、対象となる建物が既存の住宅であるときは、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。
ウ 建物の売買において、その建物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結などの措置を講ずるかどうか、また、講ずる場合はその措置の概要を説明しなければならない。

1.一つ

2.二つ

3.三つ

4.なし

→選択肢2、または3を正解とする

正解番号

実施概要

⑴ 試験日 令和3年12月19日(日)
⑵ 試験会場 8都道府県 30会場
⑶ 申込者数 39,814 人(男 26,353 人、女 13,461 人)
⑷ 受験者数 24,965 人(男 16,661 人、女 8,304 人)
⑸ 受験率 62.7%(男 63.2%、女 61.7%)

合格者の概要

⑴ 合格者数 3,892 人(男 2,494 人、女 1,398 人)
⑵ 合格率 15.6%(男 15.0%、女 16.8%)

合格判定基準

50 問中 34 問以上

過去問対策・法改正対策が大事に

12月試験は受験者の少なさから、各資格予備校の合格点の予想数値がバラけていた。その中で「34点」を的中したのはLEC東京リーガルマインド。「試験後に解答の調査に協力した受験生の成績データを元にLEC講師陣が分析したところ、全体的な難易度は、10月に行われた第1日程の試験と同等程度であると考え」(LEC)、34点と算出した。

立て続けに法改正が続いている。有効な試験対策として「過去問対策が重要である一方で近年では『民法(債権法)改正』、『配偶者居住権』、『低廉な空家等に関わる報酬の特例』『水害ハザードマップ』等の出題に見られるように、重要な法改正項目がダイレクトに出題される傾向が強まっている。本年も成人年齢(4月施行)、住宅ローン控除の特例(成立予定)等の重要改正が予定されており、22年宅建試験の受験を予定されている方は、このような法改正への情報感度を高めておくことも重要」(同)とした。

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