空き家情報データベース運営の空き家活用(東京・渋谷、和田貴充社長)は、自治体向け空き家活用プラットフォーム「空き家活用ナビ」を開始する。自治体の空き家バンクや民間のマッチングサイトなど同様のサービスと比較して、空き家所有者の登録支援、マッチング支援、事業者へのマッチング支援機能の充実を図った。導入初弾は東京・世田谷区で、11月中旬に世田谷が運営する「せたがや空き家活用ナビ」をスタートさせる。
空き家活用ナビは、空き家活用がプラットフォームとして自治体に提供、自治体がサイトの運営者となる。空き家所有者は無料で登録・利用できる会員向けサービスで、事業者は審査・登録を経て、空き家を処分したい所有者とマッチングする。システムを利用する自治体や、事業者からフィーを得て運営していく。事業者からのフィーは、マッチングに対する手数料やプラットフォームの利用料などを想定する。
空き家と利用者とのマッチングを促す仕組みは、自治体が運営する空き家バンクなどがある。ただし空き家バンクは全国共通の課題として掲載物件情報が少なく、マッチングが伸び悩んでいる。物件情報が少ない理由は、空き家を処分するという意思決定のハードルが高いことが一因。空き家バンクは所有者が処分を決めた物件しか扱われない。
この点空き家活用ナビでは、空き家を処分するか活用するかといった、所有者の意思決定の前の段階から相談が可能である点で性格を異にする。相談機能については、専属の仲介役「チューター」を用意。チューターは自治体と協定を締結した空き家活用が担当し、物件の概要に加え、今現在の困りごとや今後の不安など、空き家所有者が意思決定できていない理由や周辺状況などについてヒアリングする。空き家の登録という心理的障壁を下げて空き家の情報を顕在化し、適正な事業者とのマッチングに繋げる。
一連の事業方針は26日都内で開いたイベント「空活(あきかつ)会議2021」(主催=空き家活用)で明らかにした。同イベントにはお笑いタレントのバービー(37)さんがゲスト参加し、出身地である北海道・夕張郡栗山町で空き家の活用や地域の活性化など、タレント活動以外の自身の活動について語った。バービーさんは栗山町で空き家を2軒購入、購入した空き家をDIYして楽しんでいるという。