R65不動産を運営するR65(山本遼社長)が全国の65歳以上の高齢者を対象に実施した「孤独死に関する意識調査」によると、単身高齢者ではおよそ半数の人が「遺体の長期放置」を懸念していることがわかった。調査では単身高齢者の7割が自身の孤独死について考えた経験があることもわかった。
調査結果によると「実際に孤独死の危険がある出来事が起きてしまった場合、『生存中に発見してもらえないことと』と『遺体の長期放置』のどちらを懸念するか」との問いに、前者は25.1%だったのに対し、後者は41.1%だった。特に単身高齢者においては顕著な傾向があり「遺体の長期放置」が46.7%と全体よりも5.6%高かった。
孤独死の危険がある出来事が起こってしまった場合に、遺体の放置を懸念する理由としては、周囲に迷惑をかけたくないという理由が多くを占めた。R65によると「多くの人が死後の他者への迷惑を考える傾向は、日本特有の特徴であるかもしれない」とした上で、今後の高齢者の入居促進に向けて「単身高齢者を中心に、高齢者の見守りの重要性が増す中で、助かる命を助けることに加え「いかに遺体を早期発見するか」が重要な論点となる」(同)とした。
調査ではこのほか、65歳以上の過半数が万が一の事態を想定し、孤独死そのものについて考えた経験を持っていることがわかった。孤独死は①「未然に防ぐことが難しいため、やむを得ない」と答えた人が58.8%、②「たとえ何が起きても、既に覚悟を決めている」が51.8% 、③「特に考えたことはない」が34.9%だった。単身高齢者においては特にその傾向が強く、①は72.3%、②は60.3%、③は26.6%。
国土交通省が策定し8日公表された「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、自然死は「事故物件」の扱いから除かれるとともに、「遺体の早期発見」に関する重要性についての方向性も示されている。