国土交通省の淡野博久・住宅局長は7日、専門紙記者会の就任会見に応じた。取り組む重点課題に、省エネ対策の強化、ストック活用、住宅・建築物の木造化・木質化の3点を挙げるとともに、「住宅局は毎年法案を抱える省内でも指折りの忙しい局。若い職員が過剰なストレスを受けることなく職務に専念できるよう、働き方改革も率先して進める」と抱負を語った。
重点課題の第一に挙げた省エネ分野では、3省合同の有識者検討会が、25年に住宅・建築物の省エネ基準適合義務化の方針を打ち出した。必要となる建築物省エネ法の改正については、「最速で来年の通常国会に改正法案を提出する必要がある。10月以降、審議会を開催しそのための準備を進める」(淡野氏)。
住宅政策では、住宅投資促進策の要である住宅ローン減税が近く期限切れを迎える。控除率より低い金利が「逆ざや」を生むと会計検査院が指摘し、与党税制改正大綱で制度自体も見直されることが決まっている。住宅ローン減税に対しては、「経済を回復軌道に乗せられるよう住宅投資を喚起していくためには、急に税制上の措置が変わるのは好ましくない。良質な住宅ストック形成のためにも減税措置は必要。継続できるよう頑張っていく」(同)と意気込む。
また、22年4月に始まる優良管理マンションの認定制度に触れ、「既存マンションを安心して購入するために、数年経てば、この認定を受けているかどうかを皆さんがチェックするようになる」と期待する。認定マンションの取得や共用部分のリフォームには、住宅金融支援機構の融資金利を引き下げるインセンティブ導入を22年度予算要求に盛り込んだ。「ローン優遇と組み合わせて、認定の流れを加速したい」(同)。(日刊不動産経済通信)
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