大和ハウス工業は今期(22年3月期)、戸建て住宅事業で売上高が前期比16・3%増の6000億円、営業利益が37・5%増の300億円と大幅な増収増益を見込む。
戸建て住宅は購買意欲の向上で市場が追い風になるなか、同社はウェブ販売のS造2階建ての企画住宅「ライフジェニック」をコロナ蔓延前の19年に発売し、今年2月に木造軸組工法仕様の「ライフジェニックW」(延床面積89・42㎡プランの消費税込参考価格2035万円)も追加。4月末にはRC・木造の最上級モデルの「Wood Residence MARE-希-」(参考坪単価165万円)を発売した。構造上の強みで都市部で需要の高い地下室の採用を可能にし、設計やデザインは一棟ごとに専用チームが当たる体制で工業化住宅の一般的な概念を超えた提案を目指す。
一次取得者層に向けたウェブ販売と富裕層向けにそれぞれ特化したモデルを揃え、提案の幅を大きく広げたことで、業績に反映させていく。このほか、主に米国市場の戸建て需要増が牽引する海外事業も引き続き伸びる見通しで、21年度の営業利益は前年度比3割増の176億円とする。戸建て住宅事業の営業利益300億円中、6割を海外が占める。
分譲住宅事業では、「需要が急増し、競合は激しいが、用地取得が極端に厳しくなることや販売価格への影響はない」(芳井敬一社長)とし、今後は部屋数などをより細やかに調整し提案していく方針。グループ全体の業績予想は、売上高4兆3000億円(4・2%増)、営業利益3200億円(10・4%減)。(日刊不動産経済通信)
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow 不動産経済研究所/不動産経済オンライン