明和地所と明和管理が開発したマンション管理アプリの導入実績が3月までに800棟を超えた。17年に試験導入を始め、自社物件の管理員らとタブレット端末でやりとりする体制を段階的に広げた。日々の業務報告や入居者の情報共有、設備故障への対応など煩雑な作業を省力化。管理員の高齢化や人手不足などを補う有効なツールとして機能している。

 自社開発アプリの「管理オンライン」が効力を発揮したのは19年秋の台風豪雨だった。明和地所らは大きな被害が出た千葉エリアの復旧対応に管理オンラインを活用。タブレット端末で被害写真を共有したり、チャットで連絡を取り合ったりして、通常なら1カ月はかかる被害把握を1日で終えた。緊急性が低い物件の管理員にはオンラインで対処を指示し、建物や設備の修復作業を効率化した。アプリの採用棟数は19年時点で130棟程度だったが、台風豪雨での活用事例がきっかけとなり導入に弾みが付いたという。

 明和管理が管轄するマンションの総数は3月末時点で918棟。アプリの導入率は約4年で全体の約9割になった。同社の職員や物件の管理員ら1000人以上が利用しているが、アプリを使うようになり「管理員との電話回数が約9割、物件の訪問頻度が約3割減った」(明和地所)という。今年からは自社以外のマンション管理会社への販売も始めており、利用者はさらに増えそうだ。

 コロナ禍で管理組合の総会や理事会の対面開催が難しくなっていることから、両社はウェブ会議システムを使った「IT理事会」の開催補助も始めた。今後は総会のオンライン化も支援していく方針という。(日刊不動産経済通信)

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