(提供日刊不動産経済通信)CBREは全国主要13都市の第2四半期(2Q、4~6月)のオフィス需給動向をまとめた。東京都内主要部の全グレード(A、B等級)ビルの空室率は前期比0・3㌽増の4・3%とやや上昇。坪当たり賃料はA等級ビルが0・7%減の3万4850円と約6年ぶりに3万5000円を割った。一方、大阪、名古屋ではB等級ビルの需要が改善した。その他の地方では10都市中8都市で賃料が下がり、不便な場所の築古ビルなどが競争から脱落する傾向が鮮明になった。
都内では働き方の変化に伴うオフィスの集約や部分解約で空室が生じ、空室率が底上げされた。特に築年数が経過したA等級ビルに入る企業が移転・集約などで床面積を減らす動きが強い。一方で中小型のB等級ビルでは企業らが床面積を増やす傾向があった。空室率はA等級が0・1㌽増の2・1%、B等級が横ばいの3・8%だった。全等級の地域別空室率は都心5区が0・2㌽増の3・9%。空室率の上昇幅が特に大きかった地域は新宿(0・9㌽増3・9%)、丸の内・大手町(0・5㌽増2・7%)など。虎ノ門・汐留では0・8㌽減6・5%と都内では例外的に空室率が下がった。
大阪の全等級の空室率は0・1㌽増の3・8%、A等級ビルは0・5㌽増の4・3%と上昇。大阪では高額の賃料を負担できる企業の数が限られ、大きな床の成約に時間がかかる傾向があると分析している。特に梅田や中之島、淀屋橋で空室率の上昇が目立つ。名古屋の全等級の空室率は0・8㌽増の5・4%だが、A等級ビルに限ると4・2㌽増の8%と大幅に上昇。一棟貸しのビルでテナントが自社ビルに移るケースがあり、空室率を押し上げる要因になったとみられる。
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