マンション管理計画認定制度 相談ダイヤルで取り組みを後押し(上) 日本マンション管理士会連合会 副会長 森 健一


マンションストックの適正な管理が社会問題にも挙げられる中、地域ごとの課題に向き合い存在感が増している管理士会・管理士の活動を日本マンション管理士会連合会に所属する全国のマンション管理士会の協力を得て紹介していく。今回は、日管連が担う管理計画認定制度相談ダイヤルの状況をレポートしてもらう。

改正法や認定制度に関連する幅広い相談に対応


 高経年マンションが急増し、建物の老朽化や管理組合の担い手不足が懸念される中、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)が2020年6月に改正・公布されました。今年4月には、マンション管理適正化推進計画が作成された自治体の区域内で、一定の要件を満たすマンションの管理計画を認定する制度が始まりました。
 これにより、認定を受けたマンションが市場で評価されるなど、管理の適正化が推進されることが期待されます。また、改正されたマンション管理適正化法では、自治体の権限が強化され、自治体は指導、助言、勧告といった必要な措置を、法的根拠をもって能動的に実施できるようになりました。「マンション管理は新しい時代に入った」という声も聞かれます。
 日管連は、これらの取組みを後押しするため、マンション管理計画認定制度の相談ダイヤルを4月18日に開設しました。この事業は、国土交通省の「マンション管理適正化・再生推進事業」を活用して実施しています。
 電話相談では、マンション管理計画認定制度をはじめ、改正マンション管理適正化法に関する幅広い質問・相談について、マンション管理の専門的知識を有するマンション管理士が回答しています。相談は無料で、何回でもご利用いただけますが、1回あたりの相談時間は30分程度を限度としています。
相談は東京の日管連事務局で受け付け、原則として、相談者の地元マンション管理士会の所属マンション管理士から相談者に電話をかける方式で実施しています。ただし、短時間で回答できる内容であり、相談者がその場での対応を希望する場合は日管連事務局が対応しています。

開始2カ月で40件、手続方法などで相談
認定申請への意向も


 相談への対応は、全国44会員会の所属マンション管理士約1,700名のうち、①マンション管理センターの管理計画認定制度「事前確認講習」、②日管連の認定マンション管理士研修、③電話相談対応講習―の3つの講習・研修を修了し、万一のためマンション管理士賠償責任保険にも加入している約170名(26会員会)が担当しています。
 今後、各講習・研修の修了者が追加されますので、対応する会員会、マンション管理士とも増加する見通しです。現在、対応できる会員会がない県からの相談には、全国8ブロックの拠点会員会の所属マンション管理士が対応しています。
 日管連と会員会は毎月1回、相談ダイヤル連絡会議を開き、相談状況や参考事例、課題などについて情報を共有し、相談対応の一層の向上を図っています。
相談の受付は、平日の午前10時から午後5時までで、4月18日のダイヤル開設から6月15日まで2か月弱の間に40件の相談がありました。相談者の属性や相談内容の内訳は表の通りです。

マンション管理計画認定制度 相談ダイヤルで取り組みを後押し(下)へ続く

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