四会連合 設計コンサル向け業務委託契約書を発行 設計コンサルの業務を見える化し管理組合の利用見込む
マンションタイムズ

日本建築士連合会、日本建築士事務所協会連合会、日本建築家協会、日本建設業連合会でつくる四会連合は、4月1日に「四会連合協定 マンション修繕設計・監理等業務委託契約書類」を発行した。管理組合と設計監理会社(設計コンサルタント)向けの業務委託契約書と約款の一連の書式で、約款など一部を除く契約書は四会連合のサイトからダウンロードできる。


これまで、管理組合が設計コンサルタントと監理等業務委託契約を結ぶ際には、設計コンサルタントが用意した契約書類もしくは、新築工事用の「四会連合協定 建築設計・監理業務委託契約書」を使うことが多かった。ただし、新築工事用の業務委託契約書は、業務委託の内容が新築工事用のため、建物配置や構造、火災報知器などの設備、給排水設備、空調、昇降機など、大規模修繕工事には必ずしも当てはまらない業務が複数含まれていた。今回、新たに作成された「マンション修繕設計・監理等業務委託契約書類」は、設計コンサルタントへの業務委託の内容をマンション大規模修繕の設計監理に則したものにした。業務の内訳は大まかに、①調査・診断に関する業務②改修(修繕及び改良)設計に関する業務③耐震診断・補強設計に関する業務④工事施工者選定補助に関する業務⑤監理(工事監理を含む)に関する業務⑥その他の業務委託、としており、マンション大規模修繕において設計コンサルタントに求められる設計監理に関わる業務を網羅している。


なお、それぞれの業務には、その業務内容に加え、管理組合つまり委託者のすべき内容、受託者つまり設計コンサルタント側が行う実施事項を記した。例えば、「調査・診断に関する業務」では、委託者が「過去の調査・診断実施状況の確認」や「調査・診断計画の策定」を受託者つまり設計コンサルタントに委託する際には、委託前に「過去に行った調査・診断資料を整理しておくことが望ましい」ことや「調査・診断に関する情報収集をしておくことが望ましい」とし、実際に委託した後には「受託者に対し、過去に行った調査・診断資料を提出する」ことや「受託者からの説明及び提示された調査費用を勘案の上、調査・診断計画内容を決定する。実際の調査業務を設計業務と一括で委託するか別途とするか決定する」と記している。管理組合にとっては、大規模修繕の施工会社を選定する前段階である「調査・診断に関する業務」をどのように委託するかが明示されており、わかりやすくなっている。また、受託者側の実施事項も、例えば「調査・診断」の「配筋調査」では、委託者が事前に「どの程度の箇所数行うか検討」した上で、受託者は「電磁誘導法による鉄筋探査装置を用いて配筋及びかぶり厚さの測定を行う」と具体的な実施イメージを記している。


なお、業務委託書は、設計コンサルタントに委託する業務をチェックボックスでチェックできるため、管理組合にとっては、どの業務を設計コンサルタントに委託すべきかを組合の総会などで議論し、判断しやすい。受託者である設計コンサルタント側にとっても、管理組合から委託される業務内容や業務の範囲が明確化されるため、業務の範囲に応じたコンサルタントフィーを算定して提示できる。

約款には設計コンサルタントの
負担軽減に資する条項も


 今回の「四会連合協定 マンション修繕設計・監理等業務委託契約書類」には約款にも特色がある。約款とは一般的に、いくつかの契約を定型的に処理するため、あらかじめ作成された契約条項をいう。今回の約款には、委託者つまり管理組合の連絡担当者を定めることと、区分所有者からの要望・苦情については委託者側で取りまとめることを明記した。マンション大規模修繕の施工現場では、働き方改革が進行している。同条項は、設計コンサルタント側の業務負担軽減に資するものだ。

2022/5/5 月刊マンションタイムズ

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