賃貸管理業の登録、移行期間の期限迫る  国交省、無登録業者には今夏に立入検査

 (提供 日刊不動産経済通信)賃貸住宅管理業法に基づく業者登録制度の移行期間の期限が、6月15日に迫っている。国土交通省は、登録が必要でありながらまだ登録申請をしていない賃貸管理業者が1000社強存在するとみており、周知活動を強化する。4月1日付で関連8業界団体に対し、加盟業者の登録申請促進を依頼する通知文を発出した。期限を過ぎての無登録営業には1年以下の懲役または100万円以下の罰金という罰則があることを含め周知し、対象業者の登録を促す。

 21年6月15日に施行された賃貸住宅管理業法は、管理戸数200戸以上(自己所有物件除く)の管理業者を対象に国土交通大臣への登録を義務付けた。法施行初期の経過措置として移行期間が設けられ、従来から賃貸管理業を営む業者は、22年6月15日までは未登録でも営業できることとされた。

 登録業者は3月28日時点で4475社。国交省は、団体への通知に加え、法施行前の旧賃貸住宅管理業登録制度(告示制度)に登録していた約5000社のうち、法に基づく登録を行っていない3000社に対し、登録申請を求める文書を送付した。3000社の中には登録義務対象外の業者も多数含まれる。国交省は法に基づく登録業者であることを示すことは顧客へのPRになるとして、小規模業者にも登録を推奨する。

 無登録業者に対しては、今夏にも立入検査を開始する予定。不動産管理業を担当する不動産・建設経済局の竹内重貴・参事官は「管理業の健全な発展のためには、事業者がルールに従って事業をしてもらうことが最低条件。法令の趣旨を理解し適切にビジネスを進めて欲しい」とコメントした。

 賃貸管理業の賃貸管理業の業者登録制度の申請では、電子申請が活用されている。既に登録済みの4475社のうち、約73%にあたる3286社(3月28日時点)が電子申請を利用した。電子申請には、様々な行政手続きがオンラインから可能な「GビズID」の「プライムアカウント」を取得する必要がある。プライムアカウントは申請から発行まで2~3週間かかる。

 登録申請には、最近の事業年度の決算書類や納税証明書などの提出が必要。事業者によっては、決算後にこれらの書類の確定を待つと登録申請が6月15日に間に合わなくなるおそれがある。特に4月決算、5月決算の業者は注意が必要だ。

日管協、未登録会員へ登録を強く促す

 日本賃貸住宅管理協会は賃貸住宅管理業法が定める登録制度への会員の登録促進に力を入れてきた。業法が施行された昨年6月から会員の登録をサポートする専用の電話窓口を設け、これまでに約600件の相談に対応してきた。そのほか、登録申請方法のマニュアルを作成し全会員へ送付。今年に入ってからは、登録が義務となる管理戸数200戸以上で未登録の会員へ、本部と地方支部の両面から電話連絡で登録手続きを促してきた。3月15日時点で管理業を行う会員1689社中、登録済みは984社。これは登録義務のない管理戸数200戸未満の会員も含んでおり、200戸以上の会員に限ると、登録率は6~7割。日管協は6月15日の登録申請期限に向けて、登録申請促進の活動にさらに注力する。4月初旬にも塩見紀昭会長名で、未登録会員へ早期の登録を促す書面を送付予定。管理戸数200戸以上の未登録会員がゼロになるまで、電話案内を続けていく。

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