三菱地所、中島篤次期社長が会見で抱負―「大丸有」を多様化、海外と投資に軸足

(提供:日刊不動産経済通信)三菱地所は16日、中島篤取締役代表執行役専務が4月1日付で社長に昇格するのに伴う記者会見を本社で開いた。吉田淳一社長は中島氏を「海外経験が豊富で、国際的な視点で価値を創造できる」と評価。中島氏はオフィス事業の主舞台である「大丸有」を「ビジネスだけでなく居住や文化、娯楽の要素がある圧倒的に魅力ある空間にする」と抱負を述べた。同時に、投資マネジメントや住宅、物流施設の開発なども重視しながら「オフィスビル事業に依拠しすぎない」調和のとれた事業体制を作る方向性も示した。
 社長交代は6年ぶり。舵取りを託された中島氏は経営企画や開発のほか、海外事業の中核である傘下の米ロックフェラーグループでトップを経験。国内では藤和不動産との提携や不動産証券化事業の立ち上げ、リーマンショック後の対応なども手掛けた。自身の強みを「日米の良し悪しを経験値として持ち、事業の判断に生かせる」と分析し、「新たな領域でまずは実績を上げる」と気を引き締める。欧米など海外市場に減速ムードも漂うが、エリアやアセットを慎重に見極めつつも海外事業の手を緩めることなく成長を目指す。
 国内では「大丸有」を多様で質の高い街にすることで「日本の国際的地位向上に寄与する」と強調。米国で磨いた柔軟な発想で大胆に道を切り開く考えだ。
 吉田氏は長期経営計画が開始から3年経ち「一つの区切りが付いた」と指摘。同計画では事業利益を最大4000億円に増やす目標を掲げる。吉田氏は残る7年の課題に「海外事業、投資マネジメント事業の土台作り」を挙げ、国内では住宅を含む市街地再開発や大丸有エリアのハード・ソフト拡充などを重視する。

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