特集/コラム (追悼)石原慎太郎と「都市」 政治学者 竹井隆人 石原慎太郎氏が逝去された。その訃報に対して多くのコメントが溢(あふ)れたが、彼のことをやれウルトラ右翼だの、やれ差別主義者だのと誹謗する類のものは論外としても、国士と持ち上げ、あるいは小説家としての才能や、都知事や国会議員としての業績をもって評価する賛辞についても何やら言い足りていない気がした。というのも、私には... 2022年5月18日
特集/コラム 【空き家問題】空き家調査としての住宅・土地統計調査の限界 大阪経済法科大学経済学部教授 米山秀隆 2018年調査の結果 空き家に関する統計としては、5年に1回調査が行われる総務省「住宅・土地統計調査」(以下、住調)がよく使われる。最新の調査は2018年分であり、その結果は2019年に発表された。その内容を簡単におさらいしておくと、次のようなものであった。 2018年の空き家数は849万戸(2013年820万戸)、... 2022年5月17日
マンション 首都圏マンション 需給ともに好調 価格は最高値更新 2022年は3.4万戸 再開発タワーが市場をけん引 不動産経済研究所 企画調査部 主任研究員 松田忠司 供給3万戸台に回復、販売も好調価格は最高値を更新 2021年は需給ともに好調が続いた1年だった。発売戸数は3万3636戸と、前年の2万7228戸から23.5%増加して2年ぶりに3万戸台に回復、コロナ禍前である2019年の発売戸数(3万1238戸)も上回った。また初月契約率の平均は73.3%と前年比7.3ポイントのアッ... 2022年3月3日
マンション 3大都市圏、持家の着工戸数が揃ってマイナスに 国土交通省・新設住宅着工戸数 国土交通省の発表によると、1月の新設住宅着工戸数は前年同月比2.1%増の5万9690戸となり、11カ月連続の増加となった。季節調整済年率換算値では前月比2.1%減の82万戸で、3カ月連続の減少。新設住宅着工床面積は3.0%増の496万8000㎡となり、10カ月連続の増加となった。 利用関係別でみると、持家は前年同月比... 2022年2月28日
特集/コラム ドバイ万博開幕 大阪府立大学研究推進機構特別教授/株式会社橋爪総合研究所代表 橋爪紳也 1年遅れでスタート 新型コロナウィルスの世界的に感染拡大が継続するなか、巨大イベントの開催に関して、さまざまな制約が続いている。わが国にあっても、第5波の収束を受けて、人数制限の緩和がなされつつある。今後、ウイズコロナの時代に向けて、ワクチン接種者の受け入れに関する社会実験など、新たなイベントのあり方について模索が... 2022年2月10日
特集/コラム 過渡期としての2022年 東日本国際大学客員教授 森田浩之 続く不透明感 個人の行動にかかる日本の今後 個人的な感覚だが、2022年を迎えるにあたり、今年は例年のわくわく感がなかった。かといって、昨年初ほど沈滞した雰囲気でもない。むしろこの2年くらいの低空飛行に慣れてしまったということだろう。 2020年を目前にした2019年末は、翌年の東京オリンピックが待ち遠しく、新しい... 2022年2月9日
特集/コラム イメージ具体化の成功例 ―増加する都市ブランディングの重要性(5)―龍谷大学政策学部教授 服部圭郎 都市の歴史が有していた風格を維持・強化する試みは欧州を中心に展開されてきたが、最近では日本の都市でもみられる。例えば京都市の先斗町。鴨川と木屋町通りの間を南北に繋がる京都の五花街の一つである。狭いところでは1.6mという自動車が走行できない道幅がつくりだすヒューマン・スケール、お茶屋や飲食店などの伝統的建造物が建ち並ぶ... 2022年2月8日
オフィス/ホテル/商業 テーパリングフェーズの日本不動産市場とグローバル投資家の動向(上)CBRE代表取締役社長兼CEO 坂口英治 不動産市場の現状 「適温相場」という用語に尽きる。オフィス空室率はコロナの影響を受け東京、大阪、名古屋、福岡など全都市で上昇し2021年第2四半期は前年比で若干悪化しているが過去平均(2005~2021年)に比べるとかなり低水準で推移している。東京の2021~22年供給は過去平均を下回るため、経済が正常化すれば空室率... 2022年1月13日
オフィス/ホテル/商業 三大都市圏でオフィス空室率横ばいに ―ビル総研、都心は年後半に空室率再上昇 オフィスビル総合研究所(今関豊和代表)が6日に公表した大都市圏における21年12月末時点の賃貸オフィス需給動向で、東京など三大都市圏と福岡市の空室率が揃って横ばいになった。東京都心ではコロナ禍で空室率が上がり続けていたが、昨年後半以降に新規供給が減ったことなどで需給が均衡した。... 2022年1月12日
特集/コラム 脱炭素に向け省エネ・創エネ推進を国が急加速(上)(有)studio harappa 代表 村島正彦 政府は、温室効果ガス削減目標について、2030年までに「13年比46%減」とする方針を掲げた。2050年までに温室効果ガス排出ゼロの脱炭素社会に向けて、住宅業界においても環境配慮型の住まいが望まれている。省エネ性能の高い住宅をつくる住宅建築業界の責務が大きいことは言うまでもない。また、流通の過程では不動産業界が住宅消... 2021年11月10日
特集/コラム 実感できない人口減と住宅着工 麗澤大学客員教授 宗健(上) 人口減が実感できない要因 6月25日に発表された令和2(2020)年国勢調査の人口速報集計によると、2020年10月1日時点の日本の人口は1億2622万7000人で、2015年に比べて86万8000人減少している。一方で世帯数は2015年から227万世帯(4.2%)増加して5572万世帯となっている。そして、2015... 2021年11月8日
マンション 不動産売買の電子契約・書面電子化 解禁前夜ルポ① 契約の場面で何がどう変わるのか 2021年5月19日に交付された改正宅建業法は22年5月までに施行される。デジタル改革関連法の成立を受けた改正で、大きな柱は宅建業法34条〜37条で規定される重要事項説明書類や契約書のIT化の解禁だ。重要事項説明については「IT重説」が可能だが、重要事項説明書は「紙」という、デジタルとアナログの捻れた構造が、「説明も... 2021年10月21日