不動協・菰田理事長、建築費上昇を警戒 ウクライナ情勢受け市場への影響言及

 (提供 日刊不動産経済通信)不動産協会は11日に開いた理事会で、22年度の事業計画と予算を決定した。同日行われた記者懇談会で、菰田正信理事長(三井不動産社長)はロシアのウクライナ侵攻による不動産市場の影響として、エネルギー価格の上昇や原材料価格の高騰、物流の混乱などに伴う今後の建築コストの上昇に警戒感を示した。

 菰田理事長は、デベロッパーが既に発注している建築工事ではコストの上昇は発生しにくいが、「問題は半年後や1年後に発注する建築物。建築コストが上がってくることは容易に想定ができる」と指摘した。コストが上昇した場合、最終需要者に転嫁できるかどうか課題となるが、「住宅は既に高値となっており、建築コストの上昇分を売値に反映できるのかどうか」との認識を語った。また、デベロッパーとしては建築コストに余裕を見る必要が出てくるため、相対して用地費の負担力が抑制され、用地取得が一層難しくなり、将来的な新規供給が減少する可能性にも触れた。

 事業計画に関しては、「国を挙げてGX(グリーントランスフォーメーション)が推進される中、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、街づくりや住まいを通じて脱炭素への取り組みをしっかり行うことが求められている」と強調。「GXの先導的対応」と「豊かなまちづくり」を同時に達成する実効性の高い脱炭素施策の推進を支援するため、▽省エネ政策強化への能動的な対応▽再エネ導入・利活用の促進▽木造(木質)化促進/都市の脱炭素化/他団体との連携強化▽「不動産業環境実行計画」などの見直し-などを明記した。㈱グローベルス(東京・品川区)が4月1日付で入会することも報告された。

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