中古住宅の売却「意向」のみで物件掲載できるサイト「ウルカモ」がローンチ、不動産を売るプロセスを楽しさに変える試み ツクルバ
ツクルバ 山田執行役員

 

 中古住宅購入プラットフォームの「cowcamo(カウカモ)」を展開するツクルバ(東京・目黒、村上浩輝・代表取締役CEO)は、中古住宅の所有者が売却を決めていない段階で、購入検討者から直接フィードバックを受けることができる、売り出し前中古不動産の売買意向のマッチングプラットフォーム「ウルカモ」を構築する。

中古市場の拡大で若年層でも持ち家売却経験者が3割超に(提供=ツクルバ)

 2月10日付で開設した。ウルカモは、住宅所有者が住まい情報を手軽に投稿して、中古住宅の購入を検討する人がその投稿にリアクションをすることができる、売却意向と購入意向をマッチングするプラットフォーム。主なターゲット年代は20代から40代、サービススタート時は1都3県の中古マンションを対象にし、順次取り扱いを拡大していく。

 中古マンションの売却検討者は、ウルカモ上で簡便なスマホ操作で売却価格の査定を受けられる。続いて室内の様子などを画像とテキストで投稿、その内容に対し購入検討者はリアクションを付けることができる。こうしたやりとりが交わされるなかで売買意向をマッチングしていく。


 実際に売買意向がマッチングしたら、スムーズに実売買活動へ移行する。ウルカモ上では売りと買いの両者の意向のみを繋げ、実際に売却活動に移行した場合はウルカモ上から情報を消し、ツクルバの不動産営業職がオフラインで実際のマッチングを行なっていく。

 購入検討者は不動産業者を含まない一般ユーザーを想定している。売却検討者が掲載する物件情報は物件を特定できない形で掲載できるようにする方針で、業者の介入を排除する。

不動産の売却活動はスタートの段階から面倒 (提供=ツクルバ)

 ツクルバによれば、売却活動の楽しさをネット上で実現することが一つのポイントであると述べている。「従来的な売却活動では売却の準備が重く、非効率な部分がある。加えて仲介業の特性上、契約判断をするための情報が不足している。売却活動が長期化すると定期的な値下げが続くなど気持ちが重くなる。不動産売却には購入時のようなワクワク感がない」(ウルカモを担当する山田悠太郎執行役員)。

こうした課題からウルカモでは直観的なUI/UX、写真による内装査定、WEBプラットフォーム上で購入検討者からのリアクションを受ける機能などを設けることで、これまでにない楽しい売却プロセスが体験できるとしている。

マーケットフィットできるかどうか

 サービス開始当初は、大量の広告費を投じるCM活動は予定しておらず、既に展開している買い手側のプラットフォーム「カウカモ」の会員向け告知やSNSなどでの集客を検討している。当面はマーケットフィットのための活動を行いユーザーの反応を確かめたい考えだ。

コロナで成約が伸び在庫減、価格は上昇へ(提供=ツクルバ)

 カウカモは会員数33万人、月間ユニークユーザー数は200万人を超える。主に中古リノベーションマンションが掲載されており、カウカモを通じて購入希望者とマッチングする仕組み。ただし昨今の中古マンション市場の価格高騰化・物件情報の枯渇化から、これまで大手を中心とする中古マンション買取再販業者から得ている売り物件情報が不足しつつある。こうした状況に対して、売り物件の情報に直接アプローチするためのプラットフォームとして「ウルカモ」を位置付けていく。

 ウルカモ単体の目標は示していない。村上CEOは野心的な目線として「カウカモの事業開始から4年で会社を株式公開した。ウルカモはそれを上回るペースで成長できたらいいなと思っている」と展望を述べた。

↑インタビュー記事はこちら


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