22年度の住宅着工予測、84・2万戸 都心高額分譲マンションが減少、郊外シフト 建設経済研究所

 

建設経済研究所は、独自モデルを用いた四半期ごとの試算「建設投資の見通し(22年1月)」をまとめた。21年度の住宅着工戸数は、前年度比5・8%増の86・0万戸と予測した(前回21年11月時点は85・4万戸予測)。21年度は20年度に見送られた住宅投資が順調に戻り、22年度税制改正で住宅取得支援策の一部延長も決まったことから回復。22年度は回復も一服し2・0%減の84・2万戸(前回予測84・5万戸)の予測。

 分譲住宅は、21年度は前年度比2・5%増の24・5万戸、22年度は2・9%減の23・8万戸と予測した(前回予測21年度24・4万戸、22年度24・5万戸)。分譲住宅の21年度は、戸建てが増えるも大都市圏でマンションの着工戸数が回復しておらず微増の予測。22年度は戸建て・マンションとも都心の高額・大型物件の減少を見込み、弱含みに。22年度について同研究所は「郊外での供給が増え、都心から少し遠いところで持家とマンションがひしめき合うのでは」と予測する。マンションの都心高額物件の減少は、価格高騰で一般需要層の手が届かなくなっていることや、外国人投資家の動きが鈍いことなどを理由として挙げた。

 持家の着工は21年度8・7%増の28・6万戸、22年度は0・7%減の28・4万戸(前回予測21年度28・2万戸、22年度27・6万戸)。21年度は例年並みに戻りつつあり、税制など住宅取得支援策の一部延長で需要回復を見込む。22年度は回復の動きは落ち着き前年度と同水準にとどまると予測した。

 貸家の着工は21年度6・6%増の32・3万戸、22年度は2・5%減の31・5万戸(前回予測21年度32・2万戸、22年度31・8万戸)。相続税法改正で投資メリットが少なくなっており、貸家は伸び悩みが続く。(日刊不動産経済通信

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