三菱地所レジデンス、中小オフィスを宿泊施設に―福岡・大濠公園、Reビル事業で初

 三菱地所レジデンスは、築年数が経過した中小ビルの再生事業「Reビル事業」で初めて、オフィスビルを宿泊施設(ホステル)にコンバージョンを行った。ホステルは5日オープンした。
 同事業は同社がオーナーからビルを一棟借りし、マスターリース契約を結んだうえで、リノベーション工事を実施。工事完了後に、テナントに転貸するスキームで、これまで39棟の実績があるが、宿泊施設として再生させたのは今回が初めて。福岡市中央区の大濠公園前に立地する築42年のビルを所有者であるブルーミング中西(東京・中央区)から賃借し、ホステルの運営を手掛けるFIKA(東京・新宿区)に転貸する。
 建物の規模はRC造地上5階建て。外観デザインは福岡市美術館を意識し、元々の建物の風合いや雰囲気を生かした。客室はドミトリー(62床)、POD(1人用ユニット、72床)のほか、ツイン、ダブル、和室、4人部屋の個室(計15室)。1階にカフェ、5階には大濠公園を一望できるラウンジを設けた。同公園はランニングスポットとしても人気で、ランニングやサイクリングを楽しむ旅行者やビジネス利用のニーズを想定している。1泊当たりの宿泊料金は巡航期でドミトリー4000円、個室1万2000円になる予定。
 当初は昨年9月にオープンする予定だったが、コロナ禍を踏まえ今年6月に延期した。三菱地所レジデンスの小玉英司・常務執行役員は4日のオンライン記者会見で「コロナ禍の難局を乗り越えてオープンを迎えられた」と話した。ブルーミング中西の中西一社長は「今は海外からの流入が止まっているが、いずれ福岡は日本を代表するインバウンドの拠点となる」と期待感を示した。(日刊不動産経済通信)

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