太陽光設置で不動産価値上がる仕組みに―国交省未来研、再エネ業者らと意見交換

 国土交通省は、地域不動産業者の他業界との連携のあり方を模索する「『ひと』と『くらし』の未来研究会」の第3回会合を開いた。テーマは「ベーシックインフラの豊かなくらしとは~地元経済と不動産業~」。ゲストスピーカーは、自然電力㈱の磯野謙・代表取締役、㈱E-konzalの榎原友樹・代表取締役、㈱Co.Labの原大祐・代表取締役。エネルギーの地産地消と地域内ファイナンス、地域内経済循環を実践する3者が知見を披露するとともに、事業上の課題を伝えた。

 風力や太陽光など再生エネルギー発電所からの売電収入の1%を、基金として地域の活性化に役立てる「1%・フォー・コミュニティ」を実践する磯野氏。太陽光発電所運営に融資から協力するプロジェクトファイナンスへの参加地銀を全国20行まで増やした。太陽光は今後も耕作放棄地や工場・公共施設・住宅の屋根に拡大できると期待する一方、「海外では太陽光パネルを設置すると不動産の価値が上がるが、日本はそうではない。不動産の評価を変えると再エネの価値も高まる」と、再エネ浸透の環境づくりを提案した。

 大阪府の能勢町・豊能町で環境エネルギー分野のコンサルティングを行う榎原氏は、地域の電力需要の大きい公共施設のエネルギー診断に取り組む。「無駄な電力の使い方が見直され、使用電力が大きく減る。データ解析をフィードバックすることで筋肉質な地域になれる」と話す。神奈川・大磯町のまちの活性化に注力する原氏は、行政との関係について「行政には大きな声しか届かない。地域のニーズを顕在化してあげることが重要」と話した。(日刊不動産経済通信)

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