不動協・菰田理事長、良質な住宅循環を―脱炭素社会実現へ長期ビジョン作成も
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 不動産協会は12日に開いた理事会で、21年度の事業計画と予算を決定した。同日行われた記者懇談会で、菰田正信理事長(三井不動産社長)は事業計画を踏まえ「アフターコロナを見据えて都市、住宅、税制、環境の総合的な取り組みを協会として行っていかなければならない」と強調した。
 質疑応答では、近く政府が閣議決定する新たな住生活基本計画について聞かれ、「住宅における一番の問題は需要と供給のミスマッチだ。需要を満たす住宅は量的にまだ充足されていない。需給のミスマッチを止めるため、質の劣るストックはやはり再生させる必要があり、建て替えや再開発、リフォームによる良質な住宅循環を(委員として)強く申し上げ、計画はそれを踏まえたものになっており評価している」と語った。
 オフィスビル市況については「東京都心5区の空室率は5%に達したが、そもそも5%というのはこれ以上下がると賃料が上がり始めるという水準で、依然として低い」と強調。「会員企業が保有しているビルではまだ3%台という物件が多い一方、中小ビルや築年数が古いビル、BCP対策など性能が劣るビルでは空室率が上昇していると認識している」と分析した。
 オフィスビルの大型取引が相次いで報道されている件を巡っては「不動産を売却する事業法人はまだ多くはない。売却しなくても金融機関から資金調達が可能で、それほど売り情報は出てきていない」との見方を示した。脱炭素社会の実現については「街づくりを通じた脱炭素の取り組みを進める」とし、地球温暖化の対応に関わる長期ビジョンを同協会としてまとめる考えを示した。(日刊不動産経済通信)

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