相続登記の義務化、怠れば10万円の過料―法務省、所有権放棄は10項目クリア必要
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 法務大臣の諮問機関である法制審議会は、民法・不動産登記法部会がまとめた所有者不明土地対策のための法改正の要綱を、上川陽子・法務大臣に答申した。3年以内の相続登記の義務化、土地所有権の国庫への帰属制度の創設などが盛り込まれた。これを受け法務省は通常国会に改正法案などを提出する。
 不動産の所有権の登記名義人が死亡し、相続で所有権の移転が生じた場合の登記申請の義務化について、「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内」を期限とする。3年を過ぎても正当な理由なく相続登記を怠った場合には、10万円以下の過料という罰則も設ける。所有者不明土地の発生原因になっている、相続登記の放置を防ぐのがねらい。
 また、新制度「土地所有権の国庫帰属制度」の創設も要綱に明記された。土地所有者が法務大臣に対し、土地所有権の国庫帰属について承認を求めることができる制度で、①建物がある土地②担保権または使用・収益を目的とする権利が設定されている土地③通路その他の他人による使用が予定される土地④土壌汚染土地⑤境界などに争いがある土地⑥崖地⑦管理・処分を阻害する工作物などがある土地⑧除去しなければ管理・処分ができない有体物が地下にある土地⑨隣接地の所有者との争訟によらなければ管理・処分できない土地⑩管理・処分に費用や労力がかかる土地―以上の項目に、「すべて該当しないもの」が承認される。併せて、10年分の土地管理費の納付も必要。
 法務省は近く、通常国会に民法・不動産登記法の改正法案と、土地所有権の国庫帰属を認める新法案を提出する方針。(日刊不動産経済通信)

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