豪クロムウェルとストラタスがデータセンター投資<br>ーファンド通して欧州、アジア太平洋地域に10億ドル

 不動産投資運営を行う豪クロムウェル・プロパティ・グループが、独立系のデータセンタープラットフォームであるストラタス・データセンターと組み、データセンター投資を進める。ソーシャルメディアやクラウドコンピューティングによるデータ使用の増加により、データセンターの需要が増加しており、投資家に安定した収益と資産の保護、価値の向上をもたらすと判断。新たに組成する「ストラタス・クロムウェル・データセンター・ファンド」(SCDCファンド)を通してヨーロッパとアジア太平洋地域に最大10億米ドルを投資する。東京、関西圏でも投資を検討する。

 ストラタスはプロジェクト開発、借地契約、設計、建設を担う。ハイパースケールのテナントとの間のリースの交渉も行う。クロムウェルは、SCDCファンドへ25%を出資し、資金調達、資産管理と運用を行う。

大手データセンターのオペレーターはグローバルでの拡大を求めている。しかし、実際に競合が見られているのは、米国や中国ではなく、その他のヨーロッパやアジア太平洋地域であり、ストラタスは約5年間、クロムウェルとの協力のもと、アクティブなポートフォリオを作る大きなプラットフォームの構築に努めてきた。

 投資する最初のプロジェクトは、ロンドンで敷地面積6エーカー、100メガワットのデータセンターとし、ロンドン在籍の会社にサービスを提供する。光ファイバーの動線を完備。現在、再生エネルギーの電力取得や運営業者との交渉を行っており、2021年に竣工する予定。2件目はフランクフルトで34エーカー・300メガワットの電力を確保し、事前借地契約とその他プロセスが進行すればドイツと西ヨーロッパで最大規模となる予定。日本では東京の西部で案件を交渉中、大阪、関西圏にも関心が高い。「国際的なハイパースケールのクラウドオペレーターは、日本を重要な市場としてとらえている」(ストラタスのエリック会長)。アマゾン、グーグル、マイクロソフト、フェイスブックなど大手のオペレーターが日本のビジネスにおいてデータにアクセスできるということが重要であると考え、日本にデータセンターが必要であると感心を持っているという。

 クロムウェルの最高投資責任者であるロブ・パーシー氏は「ここ数カ月の間、クロムウェルとストラタスはデータセンターファンドに関する開発を進めてきた。2つのプラットフォームをつなげようとしている。ストラタスにおいては専門知識とデータセンターの管理の経験がある。クロムウェルに関しては、アジア太平洋とヨーロッパ地域において不動産とファンドの運用の経験がある。双方の当事者もこの件に関して前向きにとらえている。世界的に見ても、データ量は膨大になっているし、データセンターに対する需要も高まっている」と見通している。

 不動産経済ファンドレビュー 7月25日 538号

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