不動産業界のTCFD手引書を3月公表─国交省、ESG投資のS分野事例集も
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 国土交通省は、不動産関連企業を対象にした気候変動対応の手引書となる「不動産分野TCFDガイダンス(仮)」を3月末までに策定する。21日に行われた「第3回不動産分野におけるESG-TCFD実務者ワーキンググループ(WG)」で、ガイダンスのたたき台を示し、意見交換を行った。国交省はガイダンスの完成に合わせてESG投資の「S」(地域社会・経済への寄与)に対応する事例集も発表する方針だ。
 ガイダンスは全10章の構成となる予定で、なぜ気候変動に対応することが大切か、なぜ不動産分野でも気候変動が重要なのかを導入部で説明。金融安定理事会の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)によるTCFD提言を解説し、提言を踏まえた情報開示の進め方をまとめる部分がガイダンスの重要部分となる。この部分についてWGでは、TCFDシナリオ分析の実施方法を不動産業界に特化したアプローチで説明する部分の改良点や、日本の不動産分野特有の情報開示のポイントなどを論点に議論した。国交省はたたき台にWGから出た意見を反映したものを3月末までに完成版として公表する。
 日本の不動産でESG投資のうち「S」の分野に寄与するものを調査した「不動産分野における地域社会・経済への貢献に関する情報開示の事例集(仮)」もまとめる。国際的な方向性や、海外企業の情報開示内容を分類・整理。社会分野「S」に貢献する不動産と、その不動産に関連する企業・ファンドの情報開示のあり方を示すものとする。
 ガイダンス・事例集は、次回3月のWG第4回会合で仕上げを行った後で公表する。(日刊不動産経済通信)

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