マンション管理の書面電子化の準備進む―IT重説と併せて、非対面取引を実現
岡本潮理事長(マンション管理業協会の新年懇談会にて)

 マンション管理適正化法の改正を受け、マンション管理の非対面取引の準備が進んでいる。改正適正化法で、マンション管理の重要事項説明の内容を記載した書面と、管理受託契約書の電子化が認められた。書面電子化のスタート(施行日)は3月上旬。施行日に向けて、国土交通省は関連する政省令の改正を行う。
 マンション管理業者が管理組合に対して行う重要事項説明について、適正化法は重要事項を記載した書面と契約時の書面の交付を義務付けている。改正適正化法は、これらの書面(紙)での交付に代えて、データでの提供も認めた。国交省は適正化法施行令を改正し、データで提供しようとする管理業者は、「あらかじめ提供の相手方に対し、用いる電磁的方法を示し、相手方から承諾を得なければならない」という規定を設ける。また、適正化法施行規則も改正し、データでの提供方法に電子メールなどを定める。
 併せて、施行規則の改正で、管理受託契約締結前の「重要事項説明が不要となる期間」を、「新規分譲のマンションおよび再分譲のマンションについて、それぞれ最初の分譲があった日から1年間」にする。初めて「再分譲」の概念が登場した。これは区分所有権をデベロッパーが全て買い取り、管理組合がない状態にしてから再び分譲することを意味し、一棟リノベーションなどを想定する。再分譲物件についてはこれまで重説不要期間の解釈がなく、改正を機に明確化した。
 政省令の改正内容のパブリックコメントを1月23日まで行い、1月下旬に公布、3月上旬に施行する。マンション管理でのIT重説は、20年4月に国交省が発した通知により解禁されている。書面の電子化がそろうことで、マンション管理での非対面取引が実現する。(日刊不動産経済通信)

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