オフィスの賃借面積拡大が49%に増加―森ビル調査、「企業活動回復で新局面」

(提供:日刊不動産経済通信)森ビルは1月31日、東京23区に本社を置く大企業ら1677社が回答した「22年東京23区オフィスニーズに関する調査」の結果を発表した。調査は昨年10月に行いコロナ禍以降では3度目。今回は「新規賃借予定あり」と答えた企業が前回の26%から24%にやや減り、面積は「拡大予定」が40%から49%へと大きく増えた。一方で「縮小予定」は35%から30%に減少。賃借理由に「立地やグレードの改善」を挙げる企業も増えており、同社は「コロナ禍から企業活動が回復し、オフィス需要は新たな段階に進んだ」と分析している。
 同社のテナント以外の企業にニーズを聞き、都心5区を中心に非製造(53%)、製造(22%)、IT(16%)、金融(8%)などが回答した。「新規賃借予定あり」と答えた403社のうち、賃借予定時期は1年以内が113社(36%)、2年以内が56社(18%)と、過半の企業が2年以内の移転を考えていた。新規賃借の理由は「立地の良いビルに移る」「賃料の安いビルに移る」が29%の同率首位で、次点は「働き方の変化に対応」(27%)。このほか「部署新設、業容・人員拡大」は20年以降、14%、16%、20%と段階的に増え、「優秀な人材確保」も10%から16%に増えた。
 一方、従業員300人以上の企業に限ると、賃料の安いビルに移る需要は12%と全体に比べ17㌽も低く、「環境配慮型ビルに移る」との声は27%(全体12%)と高い。会社への愛着深化や従業員の交流、創造性誘発などをオフィスに求める企業が多い点も特徴だ。過去1年で賃料改定があった企業は12%で、うち増額改定が62%(前年71%)、減額が30%(21%)。出社率平均は69%(62%)とオフィス回帰が進んでいる。

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