森ビル都市総合番付、東京は今年も3位―ロンドンが首位守る、コロナ対応で明暗

(提供:日刊不動産経済通信)森ビルの森記念財団・都市戦略研究所(所長=竹中平蔵・慶應義塾大学名誉教授)は14日、「世界の都市総合力ランキング」(GPCI)の22年版を発表した。11年連続でロンドンが首位となり、2位から5位もニューヨーク、東京、パリ、シンガポールと順位に変化はなかった。ただ今回は外国人の受け入れや航空便の運行などコロナ禍の対応でスコアに差が出た。ロンドンはGDP成長率に陰りがある上、厳しい渡航規制を敷いたことなどが響き得点が減った。3位の東京も同様の理由で点を失い4位のパリと僅差になった。
 世界の48都市を対象に、「経済」「居住」「文化・交流」「環境」など6分野・計70の指標に基づき都市の力を評価した。コロナ禍で国をまたぐ人の移動を抑えたロンドンと東京、シンガポールが評価を下げ、逆に外国人の受け入れを早く再開したドバイは前回の14位から過去最高の11位に浮上した。一方、ニューヨークと上海は国内の人の行き来が増えたことが高い評価につながった。居住機能を特に充実させたパリとメルボルンもスコアを伸ばした。
 首位ロンドンは12年夏の五輪開催を契機としてホテル開発や空港整備に弾みが付いた。ただEUからの離脱とコロナ禍でスコアが落ち、「この先も優位とは言えない」(同財団理事=市川宏雄・明治大学名誉教授)情勢だ。東京もGDPの規模では上位だが成長は鈍く、竹中所長は「頑張っているが衰退が見え始めた」と指摘する。一方、東京はホテルの客室数や劇場数など「文化交流」に強く「環境」も評価された。ニューヨークに続き「働きたい都市」の2位にも入り、「アジアの中心として人を呼び込める」(市川氏)という。

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