三井不動産、植田次期社長が会見で抱負―「妄想、構想、実現」で産業を底上げ
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(提供:日刊不動産経済通信)三井不動産は9日、植田俊取締役専務執行役員を23年4月1日付で社長とする人事を決めた。菰田正信社長は代表権のある会長に就任。岩沙弘道会長は6月開催の株主総会後に相談役に就く。社長交代は約12年ぶり。菰田氏と植田氏が同日都内で会見した。来春から経営の舵を取る植田氏は「重視するのは妄想、構想、実現だ」と明言。既成概念にとらわれず、定型的な不動産業の枠を越えた「産業デベロッパー」として会社をさらに成長させる意気込みを示した。
 植田氏は83年に入社し、オフィスビルなどの開発畑を主に歩いた。99年から約10年間、三井不動産投資顧問に出向した経験がありファイナンスにも明るい。証券化事業で海外投資家らとの難しい交渉をまとめた実績を菰田氏は「粘り強さと実行力が素晴らしい」と高く買う。20年に取締役となってからはオフィスビルや商業施設の開発・運営、ライフサイエンス(「リンクJ」事業)、ベンチャー共創などを管掌し、日本橋や柏の葉、日比谷などの街づくりを手掛けた。

 会見で植田氏は「コロナ禍でリアルの場が再認識された。皆が来たくなるオフィスとまちを作る」と述べ、同じ町や建物に複合機能を盛り込むミクストユースの発想で既存の産業を底上げする考えを語った。
 菰田氏は11年6月に社長に就任。東日本大震災の直後にトップとなり、デジタル化や海外展開などを大きく前進させた。東京駅前の「東京ミッドタウン八重洲」や米ニューヨーク・マンハッタンの「55、50ハドソンヤード」など国内外で大規模開発を具現化。25年を最終年とする長期ビジョンの目標達成にメドが付いたことから「右腕」の植田専務にバトンを渡すことにした。

代表取締役社長
■ 植田 俊(うえだ たかし)
生年月日 1961年 2月16日
略 歴 1983年 4月 三井不動産株式会社入社、住宅第二事業部 事業課(横浜担当)
1985年10月 高層住宅事業部 横浜事務所
1988年 4月 横浜支店 事業課
1989年10月 開発事業本部 リゾート事業部 事業課
1992年 7月 三井不動産ファイナンス株式会社 出向
1998年10月 資産マネジメント本部 不動産営業室 課長
1999年 1月 三井不動産投資顧問株式会社 出向
2009年 4月 ビルディング本部 ビルディング事業企画部長
2011年 4月 執行役員 ビルディング本部副本部長
兼 ビルディング本部 ビルディング事業企画部長
2013年 4月 執行役員 ビルディング本部副本部長
2015年 4月 常務執行役員 ビルディング本部副本部長兼 ビルディング本部 業務推進室長
2016年 4月 常務執行役員 ビルディング本部長
2020年 6月 取締役 常務執行役員 ビルディング本部長
2021年 4月 取締役 専務執行役員(現任)
【取締役就任以降に管掌した業務】
ビルディング本部、商業施設本部、ライフサイエンス・イノベーション推進部、
ビジネスイノベーション推進部、ベンチャー共創事業部、
開発企画部、日本橋街づくり推進部、柏の葉街づくり推進部、日比谷街づくり推進部 等

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