【トップインタビュー】徳田善昭・穴吹工務店社長

厳選した立地でニーズをつかんだ事業を 新潟市で上位ブランドの№1タワマン

穴吹工務店社長 徳田 善昭氏

(提供 日刊不動産経済通信)  

―事業戦略について。

 徳田氏 オリックスグループのうち、穴吹工務店と大京で合わせて、年間2000~2500戸の分譲マンションを供給できる体制を整えていく。大京の「ライオンズ」シリーズは、三大都市圏を始め都市部や、地方ではインパクトのある再開発物件などの分譲事業に取り組んでいる。当社は「サーパス」シリーズで長く分譲してきた歴史を踏まえて、認知度が高くブランド力がある地方エリアを中心に展開を進めていく。たとえば、岡山市では最近、大京と共同事業による再開発物件「ライオンズタワー岡山千日前」が完売した。当社は、岡山市の近隣の土地を仕込んでおり、同じモデルルームを改装して販売を行うなど良好な連携を築けている。「サーパス」シリーズの物件は、(「ライオンズ」と同じく)ZEH仕様を取り入れた環境性能に加えて、共用エントランスの顔認証や宅配ボックスなど利便性ある仕様を導入している。これからは、非接触への対応やテレワーク需要など、居住者の新しいニーズをつかんで価値ある物件を開発し、年間で1000~1200戸を供給していきたい。

 ―現在ニーズのある商品企画は。

 徳田氏 地方では、70㎡以上の3LDKといった間取りの人気は根強い。用地価格や工事費が全国的に上昇している中で、グロス面積の調整も考える必要性もあるかもしれないが、顧客ニーズと齟齬を生む可能性がある。専有面積は、なるべく充分に確保した3LDKとして、より上質で魅力ある住宅を提供することの方が重要だと思っている。部屋数を2LDKに減らす場合は、収納の充実やサブルームを設けるなど他の付加価値を加えて、満足度の高い住戸を提供していく。また、50~60戸の物件でも共用部にワークスペースを設けていく。専有部では、半畳ほどの個室仕様のワークスペース「Sbooth」も水戸市の物件で導入して好評だ。これからもニーズを捉えた企画を行い、商品性を向上していく。

 ―新潟では過去最大の超高層物件を分譲する。

 徳田氏 新潟で初の「サーパス」シリーズの竣工から30年を経て、着実に実績を重ねてブランドの認知度を積み上げてきた。新潟市では、信濃川を渡った先の古町や本町といったエリアがかつての繁華街だったが、若い世代を中心に、新潟駅に近い万代エリアが脚光を浴びるようになってきた。その万代エリアの中でも、ナンバーワンの立地でナンバーワンのマンションを提供するプロジェクトが、総戸数329戸の「ザ・サーパスタワー新潟万代シテイ」だ。上位の仕様となる「ザ・サーパス」を初めて冠した物件となる。注目度は高く、現地の看板だけで200件近くの問い合わせがあった。販売期間は3年を見込んでいる。70~80㎡台で、5000万円以上の住戸がボリュームゾーンになりそうなので、発売当初は、地元のアッパー層が主なターゲットとなる。戸数が多いため、物件の価値を訴求しながら、女性、シングル、若年層など幅広い購入層を獲得していく。

 ―今後の事業の見通しは。

 徳田氏 資材の価格上昇などで予想以上の工事費となっている場合もあるものの、開発から施工まで手掛けるマンション事業で、協力業者に対して細やかなヒアリングを行いながら、採算性に大きな狂いが生じない強みを持って事業に取り組めている。25年3月期までを見通すと、現在は少し用地が不足している印象だが、全国各地でエリア性を考えながら、中心地に近い市街地・準市街地の厳選した用地を取得していく。

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